連載 医薬品情報(DI)室より 注目の新薬情報〈28〉
マヴィレットⓇ配合錠
大滝康一
1
,
田﨑嘉一
2
1北海道科学大学薬学部薬物治療学分野・准教授/旭川医科大学病院薬剤部
2旭川医科大学病院薬剤部・教授/薬剤部長
pp.1293-1295
発行日 2018年5月1日
Published Date 2018/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/12018051293
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◆製剤の特徴 「マヴィレット®配合錠」は,C型肝炎ウイルス(HCV)遺伝子にコードされる蛋白質のプロセシングとウイルス複製に必要なNS(非構造蛋白質)3/4Aプロテアーゼ阻害作用を有するグレカプレビル水和物(GLE)と,HCVの非構造蛋白領域でありウイルス複製に必要なNS5A複製複合体阻害を有するピブレンタスビル(PIB)との配合剤である。特定のジェノタイプのみではなく,HCVジェノタイプ1~6型すべてに対して強力な抗ウイルス活性を認めるパンジェノ型の抗HCVウイルス薬であり,薬剤耐性も獲得しにくい。
リバビリンフリーであり,直接型抗ウイルス薬(DAA)未治療のジェノタイプ1,2型のC型慢性肝炎では,国内初の最短8週間での治療が可能であり,高い血中HCV RNA持続陰性 化(SVR)率が得られる。