特集 高齢者医療におけるサルコペニア・フレイル対策
4.サルコペニア・フレイルとレニン・アンジオテンシン系
杉本研
1
,
楽木宏実
2
1大阪大学大学院医学系研究科内科学講座老年・腎臓内科学 講師
2大阪大学大学院医学系研究科内科学講座老年・腎臓内科学 教授
pp.2117-2123
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201509073
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サルコペニアは,加齢に伴うさまざまな要因により,筋タンパクの負のネットバランス,筋修復能低下などが生じることにより発症すると考えられているが,その要因の一つにレニン・アンジオテンシン系(RAS)の活性化がある。RAS活性化により,直接的または間接的に筋量減少や筋修復能低下が誘導されること,RAS抑制薬によりその効果が抑制されることが,特に基礎的検討により報告されている。しかし,臨床的な検討はまだ十分ではない。RAS活性化が著明な心不全などの病態だけでなく,加齢や生活習慣病においてもRAS抑制がサルコペニア予防や治療に寄与するかについて,今後の検討が期待される。