特集 高齢者医療におけるサルコペニア・フレイル対策
3.サルコペニア・フレイルのバイオマーカー
井上愛子
1
,
成憲武
2
,
葛谷雅文
3
1名古屋大学大学院医学系研究科 地域在宅医療学 老年科学教室
2名古屋大学大学院医学系研究科 地域在宅医療学 老年科学教室 特任准教授
3名古屋大学大学院医学系研究科 地域在宅医療学 老年科学教室 教授
pp.2111-2115
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201509067
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サルコペニア・フレイルは,「加齢に伴う筋力の低下,または筋肉量の減少」を指す。筋肉量の減少はtype IIa筋肉線維を中心とした萎縮と線維自体の減少である。このようにサルコペニアは,多くの高齢者に関わる病態であり,高齢者の運動機能の低下,転倒,骨折,インスリン抵抗性などに密接に関わっており,医療のみならず介護予防の観点からも重要である。 しかし,サルコペニア・フレイルの分子メカニズムは明らかでなく,臨床上の治療戦略も確立されていない。従って,サルコペニア・フレイル発症の早期バイオマーカーを探索・発見することは,それらの治療と予防観点からも極めて重要であり,今後の更なる検討が期待されている。