連載 薬剤師による処方設計(32)
小児におけるバンコマイシンの初期投与量設計
諏訪淳一
1
1東京都立小児総合医療センター薬剤科
pp.777-781
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201502777
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殺菌性抗菌薬であるバンコマイシン(VCM)は,小児科領域でも汎用されている。小児への投与において,Yasuharaらの母集団パラメータを用いた初期投与設計では,実測値と予測値の差が±30%以内となる確率が26.1%と,ソフトウェアを用いた初期投与設計は難しいことが分かった。そこで,149例,採血817点のデータより,VCM クリアランスに血清クレアチニン値を組み込んだ新規母集団パラメータを構築した。この新規母集団パラメータの予測性を評価すると,55.6%で実測値と予測値の差が±30%以内を達成することができた。新規母集団パラメータを用いると,VCMの初期投与設計における予測性は成人での報告とほぼ同程度になると考えられた。