連載 薬剤師による処方設計(42)
ベッドサイドで活用できる簡便なバンコマイシンの初期投与量設計
古見嘉之
1
1東京医科大学病院薬剤部
pp.717-721
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201602717
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症で繁用されているバンコマイシン(VCM)は,有効かつ安全に使用するため,Therapeutic Drug Monitoring(TDM)を行うことが重要である。初期投与量の設計は妥当性が高く,かつ簡便な方法が望ましい。東京医科大学病院では,1日の初期投与量(mg)= 25×クレアチニンクリアランス(CLcr:mL/分)という計算式を用いている。この式を用いた検討において,有効域未達(10mg/L以下)である割合は29.7%であった。この計算式は,緊急時や薬剤師の不在時にも有効域に達成させるための方法として有用である。