連載 リスクマネジメント~院内での薬剤師の活動~(93)
医療安全に対するプレアボイド報告の有用性
佐藤智人
1
1広島大学病院薬剤部
pp.2471-2475
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.20837/12014102471
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広島大学病院の薬剤に関連するインシデント報告は,全報告の約半数を占めている。ただ,その報告者の約90%は看護師であり,内容としては「配薬間違い」,「配薬忘れ」,「混注間違い」,「投与速度間違い」等で,薬物療法に対しての報告は少ない。不適切な薬物療法に対しても,院内のインシデントと同様に,再発防止のための検討・注意喚起を行うことが必要と考えられる。当院では,その事例を病棟薬剤師がプレアボイド報告として集積している。医療安全管理部と連携し,プレアボイド報告を元に再発防止のための検討会議や,院内への注意喚起,安全なシステム導入を行い,薬物療法に関連した患者不利益を回避し安全確保に貢献している。