今月の主題 インフルエンザ診療のブレークスルー
治療と対策
インフルエンザワクチンの有用性
中野 貴司
1
Takashi NAKANO
1
1国立病院機構三重病院臨床研究部国際保健医療研究室
キーワード:
インフルエンザワクチン
,
有効率
,
副反応
Keyword:
インフルエンザワクチン
,
有効率
,
副反応
pp.53-56
発行日 2008年1月15日
Published Date 2008/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542101494
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ワクチンの有用性は,有効率と安全性とにより評価される.現行の不活化インフルエンザワクチンは,高齢者に対して死亡回避80%以上,罹患予防30~50%台の有効率であり,米国のデータとほぼ一致する.小児に対しても統計学的に有意に罹患予防効果があるが,わが国の全国多施設共同研究では有効率20%台であった.今後さらに有効なワクチンの開発が待たれるが,現行ワクチンの副反応は全年齢層で概ね軽微であり,インフルエンザ特異的な予防手段として有効に活用したい.
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