連載 リスクマネジメント~院内での薬剤師の活動~(94)
病棟薬剤業務実施前後におけるプレアボイド報告の分析
石川惣一
1
1名古屋第一赤十字病院薬剤部
pp.2679-2683
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201411127
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薬剤師がいかにリスクマネジメントに関与し,適正かつ安全な薬物療法に貢献しているかを評価するために,名古屋第一赤十字病院において病棟薬剤業務実施前後,それぞれ6カ月間におけるプレアボイド報告の件数およびその内容(発端,原因)についての調査を行った。プレアボイド報告件数は245件から716件と,約3倍に増加した。発端は「医師・看護師からの相談」,「持参薬チェック」が特に増加し,原因は「過量・過少投与」,「配合変化」,「ノンコンプライアンス」が特に増加した。
これは,薬剤師がよりチーム医療に参画できるようになったこと,持参薬管理業務に介入したことが要因として考えられる。病棟薬剤業務の実施により,適正かつ安全な薬物療法の提供に寄与していると言えるだろう。