連載 リスクマネジメント~院内での薬剤師の活動~(92)
術後の静脈血栓塞栓症予防に用いる 抗凝固薬のBleeding Risk Score表の構築
冨澤淳
1
,
黒岩政之
3
,
高平尚伸
4
,
厚田幸一郎
2
1北里大学病院薬剤部
2北里大学病院薬剤部薬剤部長
3北里大学医学部麻酔科学・講師
4北里大学医療衛生学部・教授
pp.2302-2307
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/12014092302
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静脈血栓塞栓症(VTE)は,手術後に発症しやすい合併症であるため予防することが極めて重要である。北里大学病院では,手術後にVTEの発症リスクが高い患者に対して抗凝固薬を予防投与していたが,出血リスクを総合的に評価できるシステムが構築されていなかったため,出血リスクを総合的に評価するBleeding RiskScore表を構築した。Bleeding Risk Score表を用いることで,VTE予防に使用される抗凝固薬の投与基準が設けられ,手術患者の出血リスクを総合的に評価することが可能となった。出血事象などの副作用を回避することが期待され,抗凝固薬の適正使用に寄与できると考えられる。