Japanese
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綜説
静脈血栓塞栓症の治療における新規抗凝固薬
New Anticoagulants in The Treatment of Venous Thromboembolism
中村 真潮
1
Mashio Nakamura
1
1三重大学大学院臨床心血管病解析学講座
1Department of Clinical Cardiovascular Research, Mie University Graduate School of Medicine
pp.974-982
発行日 2014年10月15日
Published Date 2014/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200016
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はじめに
肺血栓塞栓症と深部静脈血栓症(deep vein thrombosis;DVT)は一つの連続した病態との考えから,両者を合わせて静脈血栓塞栓症(venous thromboembolism;VTE)と称し,その診断・治療・予防は両者を区別することなく行われている.VTEの治療では,血栓塞栓の溶解を促進し,血栓の局所進展を抑制し,血栓の塞栓化を予防するための処置が必要となり,抗凝固療法がその中心となる(図1)1).従来,わが国では未分画へパリンとワルファリンのみが使用されてきたが,これらは抗凝固効果のモニタリングによる用量調節が必要であるうえ,日本人における十分なエビデンスがない.このような背景から,より簡便に使用できて日本人エビデンスをもった抗凝固薬が求められてきた.
近年,VTEの治療において新しい非経口抗凝固薬が使用可能となり,また新規経口抗凝固薬も臨床開発中である.本稿では,これらの新規抗凝固薬のVTE治療における使用法や有用性について概説する.
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