特集2 新規2型糖尿病治療薬:選択的SGLT2阻害薬~日本人を対象としたトホグリフロジン治験成績を中心に~
3.選択的SGLT2阻害薬トホグリフロジンの肥満度別に見る有効性と安全性の検討 ~国内治験の併合データを用いた部分集団解析~
戸 邉
1
,
加 来
2
,
谷 澤
3
,
荒 木
4
,
綿 田
5
,
岩 本
6
,
宇都宮一典
7
,
寺 内
8
,
渡 邊
9
,
菅 波
10
1富山大学大学院医学薬学研究部内科学第一講座・教授
2川崎医科大学総合内科学1・特任教授
3山口大学大学院医学系研究科病態制御内科学分野・教授
4熊本大学大学院生命科学研究部代謝内科学・教授
5順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学講座・教授
6東京女子医科大学・常務理事
7東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科・主任教授
8横浜市立大学大学院医学研究科分子内分泌・糖尿病内科学・教授
9サノフィ株式会社統計解析室
10興和株式会社臨床解析部
pp.2219-2229
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/12014092219
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選択的SGLT2(sodium glucose co-transporter 2)阻害薬トホグリフロジン(TOFO)の併合解析にて,日本人2型糖尿病患者1,046例を対象として本剤の有効性と安全性を肥満度別に検討した。TOFO 10mg,20mg,40mgはすべてのBMI(body mass index)部分集団において,血糖,体重,血圧をベースラインから有意に低下させ,C-peptide index(CPI)を増加させた。血糖降下作用は,BMIが高い部分集団の方が大きかった。またいずれの用量群でも,有害事象はBMI部分集団によらず同程度の頻度であったが,血中ケトン体増加はBMIが低い方が相対的に多くなる傾向があった。以上のことから,肥満度によらないTOFOの有効性と安全性が確認され,特に肥満者においてその有用性は高かった。