特集2 新規2型糖尿病治療薬:選択的SGLT2阻害薬~日本人を対象としたトホグリフロジン治験成績を中心に~
序:選択的SGLT2阻害薬の現状と課題について
加 来
1
1川崎医科大学総合内科学1・特任教授
pp.2197-2199
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/12014092197
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2014年に新しい2型糖尿病治療薬であるsodium glucose co-transporter 2(SGLT2)阻害薬が日本で上市された。イプラグリフロジン(スーグラ®),トホグリフロジン(デベルザ®,アプルウェイ®),ダパグリフロジン(フォシーガ®),ルセオグリフロジン(ルセフィ®)が既に上市され,今後登場予定のカナグリフロジンとエンパグリフロジンが加わり,最終的には6成分のSGLT2阻害薬が国内で臨床使用されることになる
その中で,トホグリフロジンは国内で創製された選択的SGLT2阻害薬で,SGLT2への選択性をより高めるとともに,良好な生物学的利用率が得られるように製剤改良して誕生した。トホグリフロジンを含めてSGLT2阻害薬は,良好な血糖降下作用以外に体重減少作用も確認されており,特にメタボ型2型糖尿病患者に最適な治療薬として期待されている。一方,過剰な糖を尿中に排泄することで体液量減少,尿路・性器感染症,痩せの患者での体重減少に加えて血中ケトン体増加,骨代謝に対する影響などもリスクとして想定されている。まだ国内で使用経験は少なく,有効性や安全性について未知な部分も数多く残されている。
これからのSGLT2阻害薬の臨床応用の一助となることを念頭に,トホグリフロジンの国内治験時における有効性,安全性に関してサブ解析を実施し,その成績をわが国の臨床糖尿病学の第一人者である先生方に執筆いただいた。