特集2 新規2型糖尿病治療薬:選択的SGLT2阻害薬~日本人を対象としたトホグリフロジン治験成績を中心に~
2.選択的SGLT2阻害薬トホグリフロジンの年齢別に見る有効性と安全性の検討 ~国内治験の併合データを用いた部分集団解析~
岩本安彦
1
,
加来浩平
2
,
宇都宮一典
3
,
寺内康夫
4
,
戸邉一之
5
,
谷澤幸生
6
,
荒木栄一
7
,
綿 田
8
,
渡邊大丞
9
,
菅波秀規
10
1東京女子医科大学・常務理事
2川崎医科大学総合内科学1・特任教授
3東京慈恵会医科大学糖尿病・代謝・内分泌内科・主任教授
4横浜市立大学大学院医学研究科分子内分泌・糖尿病内科学・教授
5富山大学大学院医学薬学研究部内科学第一講座・教授
6山口大学大学院医学系研究科病態制御内科学分野・教授
7熊本大学大学院生命科学研究部代謝内科学・教授
8順天堂大学大学院医学研究科代謝内分泌内科学講座・教授
9サノフィ株式会社統計解析室
10興和株式会社臨床解析部
pp.2208-2218
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/12014092208
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SGLT2(sodium glucose co-transporter 2)阻害薬は,インスリン非依存的な血糖降下作用を有することから,糖尿病薬物治療の新たな選択肢として期待されている。一方で,SGLT2阻害薬による潜在的なリスクや不足情報としてあげられる尿路感染症や体液量減少等への影響は,特に高齢者においてリスクが大きいことが予想される。そこでSGLT2阻害薬トホグリフロジンの国内治験併合データを用いて,年齢部分集団別に有効性と安全性の検討を行った。65歳未満と65歳以上のいずれの部分集団においても,トホグリフロジンは有効性を示した。また両部分集団において認められた有害事象に一定の傾向はなく,忍容性は高いと考えられた。治験の限られた症例数における解析のため,今後は市販後の継続的な観察が必要と思われる。