特集2 新規2型糖尿病治療薬:選択的SGLT2阻害薬~日本人を対象としたトホグリフロジン治験成績を中心に~
8.選択的SGLT2阻害薬トホグリフロジンの食後血糖に対する影響 ~血糖関連ホルモンの考察~
加来浩平
1
,
菅波秀規
2
1川崎医科大学総合内科学1・特任教授
2興和株式会社臨床解析部
pp.2274-2285
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/12014092274
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
新規SGLT2(sodium glucose co-transporter 2)阻害薬トホグリフロジンによる食後血糖改善効果を,食事負荷試験の成績から評価した。トホグリフロジンの24週投与により,著明な食後1時間,2時間血糖の低下が認められた。また,空腹時および食事負荷後のインスリンの低下が認められ,グルカゴンには影響は認められなかった。空腹時ならびに食事負荷2時間後のインスリン/グルカゴン比は低下し,トホグリフロジンによる糖産生亢進が示唆された。さらに,活性型GLP-1(glucagon-like peptide-1)の有意な増加,GIP(glucose-dependent insulinotropic polypeptide)の有意な低下が認められた。これらの結果から,トホグリフロジンは食後血糖を改善し,長期的に糖毒性を解除する可能性が示唆された。