特集2 新規2型糖尿病治療薬:選択的SGLT2阻害薬~日本人を対象としたトホグリフロジン治験成績を中心に~
6.選択的SGLT2阻害薬トホグリフロジン投与による尿酸低下作用
益崎裕章
1
,
加来浩
2
,
菅波秀規
3
1琉球大学大学院医学研究科内分泌代謝・血液・膠原病内科学講座(第二内科)・教授
2川崎医科大学総合内科学1・特任教授
3興和株式会社臨床解析部
pp.2251-2261
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/12014092251
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過剰な尿酸は痛風の原因となるだけではなく,さまざまな臓器や組織,細胞において酸化ストレスを誘導し機能異常を起こすため,肥満やメタボリックシンドローム,2型糖尿病などを伴う無症候性高尿酸血症に対しても尿酸を低下させるといった介入を行うことが重要である。国内での治験のデータを併合解析し,トホグリフロジンの血清尿酸値に及ぼす影響を検討した。トホグリフロジンは,血清尿酸値を有意に低下させ,その尿酸値の変化量はベースライン尿酸値と負の相関を示した。また,トホグリフロジンは尿酸治療薬の有無に関わらず,尿酸低下作用を示した。トホグリフロジンは単に血糖を改善作用するだけではなく,糖尿病に伴う高尿酸血症の状態を是正し,酸化ストレスを軽減することでも糖尿病の予後を改善することが示唆された。