特集2 新規2型糖尿病治療薬:選択的SGLT2阻害薬~日本人を対象としたトホグリフロジン治験成績を中心に~
9.糖尿病患者での骨代謝指標とトホグリフロジンの骨折例の解釈
岡田洋右
1
,
加来浩平
2
,
菅波秀規
3
1産業医科大学医学部第1内科学講座・講師
2川崎医科大学総合内科学1・特任教授
3興和株式会社臨床解析部
pp.2286-2294
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.20837/12014092286
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糖尿病の治療目標は,健康な人と変わらない日常生活の質を維持し,健康寿命を確保することである。糖尿病患者では骨粗鬆症,骨折リスクが増大するため,骨折の予防は重要な課題であり,骨折リスクを評価するバイオマーカーの一つとして25(OH)D(25-ヒドロキシビタミンD)濃度が注目を集めている。近年,新たな作用機序の経口血糖降下薬であるSGLT2(sodium glucose co-transporter 2)阻害薬が承認されたが,この薬剤の骨折に対する影響が懸念されている。そこで,わが国で承認されたトホグリフロジンの骨折例に対する検討を行った。現時点のデータから,トホグリフロジンが骨折に影響を与える可能性は低いと考えられたが,治験での症例数および投薬期間は限られており,引き続き骨折への影響を注視していく必要がある。