特集 Drug delivery system(DDS)の最新展望
9.医薬工連携型DDSの開発
川上 茂
1
,
渕上由貴
2
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 医療科学専攻 展開医療薬学講座 医薬品情報学分野教授
2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 医療科学専攻 展開医療薬学講座 医薬品情報学分野
pp.1791-1795
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201407103
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遺伝子・核酸医薬品,細胞医薬品,医療機器等の実用化に向け,これらの広範囲かつ複合的な領域を網羅・体系化し実用化へと繋げるためには“医薬工連携”体制の構築が強く求められている。ドラッグデリバリーシステム(DDS)の中でもターゲティングは,薬物に,生体内で標的部位に指向する性質を与え,選択的な薬物送達を実現する試みを言う。ターゲティングのレベルは,特定の臓器を標的とする場合,特定の細胞を標的とする場合,細胞内の特定のオルガネラを標的とする場合でそれぞれ一次,二次,三次レベルでのターゲティングに分けられ,後者になるほど精密かつ高度な技術が必要になる。ここでは,医薬工連携が必要となる組織押圧や超音波照射を外部刺激として,遺伝子・核酸を標的臓器や細胞内に導入する三次レベルのターゲティング法である,外部刺激応答性DDS開発について議論を行う。