特集 Drug delivery system(DDS)の最新展望
5.核酸を用いるDDS治療の現状と将来
安井寛
1
1東京大学医科学研究所附属病院 抗体・ワクチンセンター・特任講師
pp.1765-1769
発行日 2014年7月1日
Published Date 2014/7/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201407077
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核酸医薬品(oligonucleotide-based therapeutics)は,「核酸あるいは修飾型核酸が直鎖上に結合したオリゴ核酸を薬効本体とし,蛋白質発現を介さず直接生体に作用するもので,化学合成により製造される医薬品の総称」である1)。作用機序として,塩基配列の相補的結合,核酸の可塑性を利用して,核酸や蛋白質などに結合し,その機能に作用する。一方,同様に核酸により構成される遺伝子治療薬は,作用発現に蛋白質への翻訳を介すること,生物学に製造されることの違いがある。
本稿では,核酸を用いるDDS(Drug delivery system)治療のうち,核酸医薬品とそのDDSについて,その開発の現状と今後の展望を概説する。