特集 特集1 バイオシミラーの今後のあるべき姿 ~ジェネリック医薬品も視野に~
5.薬剤師の立場から ~バイオシミラーへの思い~
早狩誠
1
1弘前大学大学院医学研究科薬剤学講座・教授/薬剤部長
pp.1357-1360
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201405073
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今後,遺伝子組換え技術を利用した生物学的製剤の後発品,バイオシミラーが数多く発売されることが予想される。これらの製剤は,製造方法等が公開されておらず,製造元ごとに製品の品質特性に差が認められる可能性が想定される。そのため,多くの医師や薬剤師が,バイオシミラーの安全性や有効性について,先発品と果たして同等と捉えて良いものか,懸念を抱いている。遺伝子組換え製剤では,アレルギー反応の原因を推察するために必要な純度や,ADCC(抗体依存性細胞傷害)活性やCDC(補体依存性細胞傷害)活性などの薬理活性に影響を及ぼす糖鎖構造などの情報は十分に示されていない。本稿では,チーム医療の一員としての薬剤師の立場から,バイオシミラーの安全で適正な使用への情報収集に向けた要点について解説した。