特集 がん領域における注意すべき医薬品副作用のメカニズムと対応
7.ビスホスホネート製剤およびRANKL阻害剤による低カルシウム血症と顎骨壊死
鍛治園誠
1
,
藤原聡子
2
,
千堂年昭
3
1岡山大学病院薬剤部
2岡山大学病院薬剤部がん化学療法管理室・室長
3岡山大学病院薬剤部教授/薬剤部長
pp.1197-1201
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201404115
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
がんの骨転移に起因する骨関連事象に対する骨マネジメントにおいて,ビスホスホネート製剤および抗RANKL(receptor activator of NF-κB ligand)抗体製剤は,実臨床でなくてはならない地位を確立している。これらの薬剤は比較的安全に用いることができるが,重篤な有害事象として一定の割合で顎骨壊死の発症が報告されている。顎骨壊死に対しては,口腔内を清潔に保つことで予防することが最も重要であるが,その中で薬剤師は,本薬剤使用患者に対し薬効や副作用の説明のみに終始するのではなく,歯科医師・歯科衛生士などの他職種と連携し,継続して口腔内のアセスメントに努めなければならない。発症のリスクファクターが完全には解明されていない現在,予防とともに早期発見も重要な対策であると考える。