特集 がん領域における注意すべき医薬品副作用のメカニズムと対応
3.抗がん剤による口内炎の発現機序と対策
渡邉真一
1
,
荒木博陽
2
1愛媛大学医学部附属病院薬剤部
2愛媛大学医学部附属病院薬剤部教授/薬剤部長
pp.1171-1175
発行日 2014年4月1日
Published Date 2014/4/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201404089
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近年,新たな抗がん剤の開発やがん化学療法レジメンの確立は進歩しているものの,副作用は看過できないものとなっている。副作用の一つである口内炎は,がん化学療法時の約30~ 40%に発症し,重度の疼痛を伴うことから食事摂取量の減少やコミュニケーション機能の低下など,患者のQOL(quality of life)を著しく低下させる要因となっている。また,重度の口内炎は抗がん剤治療中断の要因や入院期間の延長を招くことから,臨床において口内炎を予防・治療することは重要と考えられる。本稿では,口内炎発現のメカニズムおよび有用性の報告されている各種予防・治療法について解説する。