特集1 抗凝固薬療法の展望と課題
7.新規経口抗凝固薬(NOAC)の適応拡大の可能性
杉薫
1
1東邦大学医療センター大橋病院循環器内科・教授
pp.709-717
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201402709
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新規経口抗凝固薬(novel oral anticoagulant:NOAC)の心房細動に対する適応症は,非弁膜症性心房細動による脳梗塞予防である。だが,ワルファリンがこれまで関与してきた抗凝固薬の適応についても,NOACの適応が広がるのではないかという希望がある。既にエドキサバンは整形外科術後の下肢静脈血栓塞栓症予防に適応はあるが,ダビガトラン,リバーロキサバン,アピキサバンの下肢静脈血栓塞栓症予防については海外の試験が参考になるかもしれない。下肢静脈血栓塞栓症の延長で,肺血栓塞栓症予防も早期に認められるかもしれない。そのほかに急性冠症候群や静脈グラフトによる冠動脈再建術にも使用できる可能性はある。しかし,人工弁置換例に対するダビガトランの使用は控えるように勧告が出されている。
本稿ではこれまでに海外で行われた試験の概略をまとめ,NOACの適応拡大の可能性について検討する。