特集1 抗凝固薬療法の展望と課題
6.新規経口抗凝固薬(NOAC)のモニター法
北島勲
1
1富山大学医学薬学研究部臨床分子病態検査・教授
pp.703-708
発行日 2014年2月1日
Published Date 2014/2/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201402703
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新規経口抗凝固薬(novel oral anticoagulant:NOAC)は,その使用において細やかな用量調節や頻回のモニタリングは不要とされている。この理由として,1日の血中濃度にピーク値とトラフ値があり,広い有効濃度域のため有効性と安全性を正確にモニターできる血液凝固検査方法がないことが背景にあると考えられる。しかし,すべての抗凝固薬は,血栓症予防と出血事象発現という「諸刃の剣」を有する薬剤であるため,安全性確保のために何らかの凝固検査評価が必要になってきた。ダビガトランは,活性化部分トロンボプラスチン時間(aPTT)に加え,その血中濃度を推定できるヘモクロット法,リバーロキサバンはプロトロンビン時間(PT)利用に種々の見解が示されている。今後,安全性チェックのみではなく,有効性判定や服薬アドヒアランスチェックや虚血性脳梗塞の血栓溶解療法適応や服薬患者の大きな外傷など,不測事態の対応などに対応できる検査の検討が望まれている。