血栓症診療update-新規経口抗凝固薬を加えて広がる世界
《新規経口抗凝固薬をどう使うか?》新規経口抗凝固薬使用にあたってリスクに基づいた適応の層別化をどう考えるか?
是恒 之宏
1
1国立病院機構大阪医療センター 臨床研究センター
キーワード:
Warfarin
,
加齢
,
出血
,
経口投与
,
脳梗塞
,
発生率
,
薬物相互作用
,
血小板凝集阻害剤
,
P-Glycoprotein
,
リスク評価
,
医薬品適正使用
,
Dabigatran
,
Creatinine Clearance
Keyword:
Dabigatran
,
Administration, Oral
,
Aging
,
Drug Interactions
,
Hemorrhage
,
Platelet Aggregation Inhibitors
,
Warfarin
,
Incidence
,
Risk Assessment
,
ATP-Binding Cassette, Sub-Family B, Member 1
,
Brain Infarction
pp.22-25
発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2012271432
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・最近warfarinに代わる新しい経口抗凝固薬が開発され、2011年3月には経口直接トロンビン阻害薬dabigatranが非弁膜症性心房細動(NVAF)を対象に使用可能となった。・2012年4月にはrivaroxabanが発売、apixabanは申請中、edoxabanは第III相国際共同試験中である。・dabigatranは発売1年を迎え、その間日本における使用経験をふまえ、原則としてCHADS2スコア1点以上で推奨となっているが、腎機能低下、高齢者、抗血小板薬やP糖蛋白阻害薬の併用時には出血合併症に十分留意すること、また定期的な腎機能や貧血のチェックが必要であることを強調しておきたい。・出血リスクを評価するうえでAPTTが指標となる可能性があるが、RE-LY試験の結果から少なくともトラフで正常上限の2倍を超える場合には大出血の合併症が多いことが報告されていることから、今後さらにデータを積み重ねて日本人における減量あるいは投薬変更基準を確立していく必要があると考えられる。
©Nankodo Co., Ltd., 2012