技術講座 血液
—step up編—新規経口抗凝固薬(NOAC)のモニタリング検査
松野 一彦
1
,
宇佐美 貴之
1
,
畑瀬 正尚
1
1北海道大学病院検査・輸血部
pp.216-221
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205856
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Point
●非弁膜症性心房細動患者の脳梗塞発症の予防に,ワルファリンに替わってトロンビン阻害薬や活性化第X因子(Xa)阻害薬などの新規経口抗凝固薬(NOAC)が登場してきた.
●NOACは診察時ごとのモニタリング検査は必要ないとされているが,出血時や外科的処置の前などには何らかのモニタリング検査が必要である.
●トロンビン阻害薬のモニタリングにはヘモクロットトロンビンインヒビター(HTI)法,Xa阻害薬のモニタリングには発色性合成基質法によるXa阻害活性の測定が最も優れているとされる.
●しかし,両方法ともわが国では保険収載されていないため,現状ではプロトロンビン時間(PT)や活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)などのスクリーニング検査を用いたモニタリングが必要である.
●NOACのモニタリングでは,服薬から採血までの時間およびPT,APTTの試薬間差に十分注意する必要がある.
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