特集2 心臓性浮腫とトルバプタン ~入院早期の体液管理における役割~
4.強力な利尿効果と腎機能悪化抑制効果,早期うっ血解除の利点:従来治療との比較
末永祐哉
1
,
鈴木誠
2
1亀田メディカルセンター循環器内科
2亀田メディカルセンター循環器内科 部長
pp.122-127
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201401122
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近年話題の臓器間のクロストークの中でも心腎連関(cardiorenal syndrome:CRS)は,未だその機序・治療法ともに未知の部分が多い分野である。急性心不全において問題となるのはType 1 CRSであることが多いが,急性非代償性心不全(ADHF)患者のうち半数以上が入院時の腎機能が低下していることもあり,その頻度は少なくない。Type 1 CRSを一度発症すると,利尿薬抵抗性と予後の悪化という大きく分けて2つの問題が生じるが,近年これらに寄与している因子が徐々に解明されつつあり,トルバプタンは,特にType 1 CRSを合併したADHFに有効である可能性があるため,その概要を述べる。