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薬剤の臨床
婦人便秘症に対する強力バルコゾルの効果について
Effectiveness of Bulkosol Forte on female obstipation
後藤田 博之
1
,
桑原 惣隆
1
Hiroyuki Gotouda
1
1金沢大学医学部産科婦人科学教室
pp.397-400
発行日 1960年4月10日
Published Date 1960/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409202186
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Ⅰ.まえがき
器質的な疾患或は大腸の機能的神経支配障碍により来る便秘症は日常多くの患者,特に婦人に多く認められ来院しない者でも下痢とか浣腸等により処理しているものが相当ある事は事実である。通常これらの患者を治療する場合,レ線検査,糞便の性状,腹部及び一般所見から機能的なものは弛緩性—蠕動減弱型Hypotonisch hypoperis—taltische Formであるか,運動障碍性痙攣型dyskinetisch spastische Formであるかを判定し,夫々有効な薬剤を使用しなければならない。また最近ではColon neurosisの概念が加わり,独立した疾患単位として扱われつつある様である。治療面では近年J. wilson & D. Dickinson (1955)が二塩基酸性のアニオン活性型である合成高性能湿潤剤Dioetyl Sodium Sulfosaccinate (D.SS.)を応用し効果をあげ,その後,本剤の使用成績も多く報告されているが,今回,D.S.S.とCa—scarinol (Cascara sagradaの純有効抽出物質)から成る強力バルコゾルをエーザイより提供され外来婦人患者に使用し,若干の知見を得たので報告する。
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