第 III 部 治療における最近の新薬の位置付け~新薬の広場~
■睡眠薬・鎮静薬・抗不安薬
太田真帆
1
,
板垣史郎
1
,
早狩誠
2
1弘前大学医学部附属病院薬剤部
2弘前大学医学部附属病院薬剤部 教授・薬剤部長
pp.469-478
発行日 2013年1月31日
Published Date 2013/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201313469
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非ベンゾジアゼピン系睡眠薬エスゾピクロン(ルネスタR)は,ラセミ体であるゾピクロン(アモバンR)を光学分割し,薬理活性の大部分を有するS体のみを取り出した薬物であり,2012年4月より販売開始となった。原発性と併発性いずれの不眠症にも効果を示し,適応外ではあるもののうつ病の改善効果も見られる。長期間連用しても効果は減弱せず,耐性が形成されない睡眠薬である。また,ゾピクロンの特徴的な副作用として味覚障害があげられるが,エスゾピクロンでは薬物の曝露量を減少させることができるため,その副作用を軽減することができる点が大きな特徴である。