第 II 部 注目の新薬
<選択的NK1受容体拮抗型制吐剤> 「プロイメンド®点滴静注用150mg」
吉田達哉
1
,
後藤功一
2
1独立行政法人国立がん研究センター東病院呼吸器内科
2独立行政法人国立がん研究センター東病院呼吸器内科 医長
pp.261-273
発行日 2013年1月31日
Published Date 2013/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201313261
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ホスアプレピタントメグルミン(プロイメンド®点滴静注用150mg:以後ホスアプレピタント)は,抗悪性腫瘍剤投与に伴う悪心・嘔吐(Chemotherapy Induced Nausea and Vomiting:CINV)に対する予防薬として,世界初の選択的ニューロキニン1(neurokinin:NK1)受容体拮抗型制吐剤であるアプレピタントの水溶性を向上させたリン酸化プロドラッグである。また本剤は,アプレピタントと同様に,高度催吐性薬剤に対する制吐療法として,海外のガイドラインにおいて推奨されている薬剤であり,化学療法前に投与することで,アプレピタント経口内服(3日間)に対する非劣性が臨床試験で証明されている。これまでアプレピタントでは対処が困難であった経口投与困難な患者やコンプライアンスが不良の患者などにもNK1受容体拮抗型制吐剤である本剤の投与が可能となり,CINV予防の新たな治療の選択肢と期待されている。