増刊号特集 泌尿器科治療薬マニュアル—私の処方箋
進歩と新しい展開
新しい制吐剤
町田 豊平
1
1東京慈恵会医科大学泌尿器科
pp.17-20
発行日 1993年3月30日
Published Date 1993/3/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413900828
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5HT3受容体拮抗剤の現況
最近,新しい強力な制吐剤として5—HT3受容体拮抗剤が登場し,抗癌剤投与時にみられる激しい悪心・嘔吐に対する治療薬として注目されている。シスプラチンを中心とした併用化学療法が日常的に施行される泌尿器科領域では,この新しい制吐剤はQ.0.Lの面からも欠かせないものである。
本稿では,新しい制吐剤5HT3受容体拮抗剤開発の背景にある,嘔吐・悪心の発現機序,とくに嘔吐に関与するドパミンD2受容体とセロトニン5—HT3受容体について述べ,その嘔吐発現への過程をまず解説する。
また現在5—HT3受容体拮抗剤として本邦で使用され始めているグラニセトロンを中心にシスプラチンを含む抗癌剤で誘発される嘔吐に対する本剤の著明な有用性について説明する。
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