第 II 部 注目の新薬
<ヒト型抗RANKLモノクローナル抗体製剤> 「ランマーク®皮下注120mg」
高野利実
1
,
下村昭彦
2
,
陶山浩一
2
,
三浦裕司
2
1国家公務員共済組合連合会虎の門病院臨床腫瘍科 部長
2国家公務員共済組合連合会虎の門病院臨床腫瘍科
pp.254-259
発行日 2013年1月31日
Published Date 2013/1/31
DOI https://doi.org/10.20837/1201313254
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デノスマブは,ヒト抗NF-κB(nuclear factor-kappa B)活性化受容体(receptor activator of NF-κB;RANK)のリガンド(RANKL)に結合するモノクローナル抗体で,破骨細胞の活性化を抑制し,癌による骨病変の進展を抑制する。骨転移を有する進行固形癌と多発性骨髄腫症例を対象に,ゾレドロン酸との比較でデノスマブの有効性と安全性を見るための3つの第III相二重盲検比較試験が行われ,いずれの試験においても,初回骨関連事象(skeletal-related events;SRE)発現までの期間について非劣性が示された。デノスマブの重大な副作用として,「低カルシウム血症」と「顎骨壊死・顎骨骨髄炎」が報告されており,注意が必要である。