特集2 上手な予測と現場ですぐできる予防策で快適な治療を実現しよう 先回り式抗がん薬副作用対策トリビア
症状別副作用対策
悪心・嘔吐—立ち止まって考えたい制吐剤使用
後藤 知之
1
1滋賀県立総合病院消化器内科/外来化学療法センター
pp.286-290
発行日 2018年7月15日
Published Date 2018/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1430200293
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CINVのコントロールはがん治療医の腕の見せどころ
「がん化学療法による悪心・嘔吐」(chemotherapy induced nausea and vomiting;CINV)は患者にとって非常に大きな苦痛です。近年は身体的苦痛よりも社会的な苦痛の重要性が認識されつつあるとはいうものの、悪心・嘔吐をはじめとする身体的苦痛を訴えている患者は依然として少なくはなく1、これらに対する支持療法が患者のQOLや治療経過を大きく左右することは言うまでもありません。
一方で近年の制吐療法の発展はめざましく、CINVというがん患者に多大な苦痛を強いてきた副作用も支持療法を上手く使うことによって大きく軽減できる時代になってきています。言い方を変えると、CINVのコントロールはがん治療医の腕の見せどころでもあるということです。
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