特集1 ワクチン療法の最新事情
7.ユニバーサルB型肝炎ワクチンの重要性
藤澤知雄
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1済生会横浜市東部病院小児肝臓消化器科・顧問/NPO法人 日本小児肝臓研究所・理事長
pp.1947-1952
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12013081947
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B型肝炎ウイルス(HBV)は感染力が強く,母子感染防止のみではこの感染症を制圧できないことは明らかである。すなわち家族内感染,特に父子感染が無視できないこと,保育園などの施設内での感染も少なくないこと,世界的標準である全国民を対象としてB型肝炎(HB)ワクチンを接種していないことも要因であるが,日本ではまれであった遺伝子型AのHBV感染が性感染症として急速に蔓延していること,HBVの一過性感染でもHBV遺伝子が肝細胞内に潜み,免疫抑制状態で再活性化ないし再出現すること,HBV感染者への差別や偏見がなくならないこと,などがあげられる。このような状況から,日本でもHBワクチンの定期接種化の必要性が認識されるようになった。