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特集 B型肝炎の現状とワクチン定期接種化の意義
7.B型肝炎ワクチン定期接種化の経緯とその意義
Hepatitis B universal vaccination in Japan -Backgrounds and future perspective-
須磨崎亮
1
,
酒井愛子
2
Sumazaki Ryo
1
,
Sakai Aiko
2
1茨城県立こども病院 病院長/筑波大学小児科 名誉教授
2筑波大学小児科
キーワード:
B型肝炎ワクチン
,
定期接種
,
水平感染
,
母子感染
,
任意接種
Keyword:
B型肝炎ワクチン
,
定期接種
,
水平感染
,
母子感染
,
任意接種
pp.70-78
発行日 2017年10月25日
Published Date 2017/10/25
DOI https://doi.org/10.20837/2201711070
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B型肝炎ウイルス(HBV)の感染経路は母子(垂直)感染と水平感染に大別される。わが国では1985年から開始された母子感染防止事業により小児のHBs抗原陽性者は激減した。しかし最近の疫学研究から,小児の日常生活の中でもHBVの感染機会があることが示された。また,若年成人における欧米型HBVの流行,慢性肝疾患や再活性化予防のための負担の大きな治療の必要性からも水平感染予防の重要性は増している。このため2016年10月から,同年4月以降に出生した母子感染予防対象児以外の全乳児を対象にB型肝炎(HB)ワクチンの定期接種が開始された。今後はさらに,同居家族にHBV感染者がいる場合,キャリア化しやすい幼児,感染リスクの高い若年成人等への任意接種の普及が望まれる。