特集1 ワクチン療法の最新事情
6.ロタウイルスワクチン
中込治
1
,
中込とよ子
2
1長崎大学大学院医歯薬学総合研究科感染免疫学講座分子疫学分野教授
2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科感染免疫学講座分子疫学分野准教授
pp.1941-1945
発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.20837/12013081941
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ロタウイルスワクチンは,WHO(世界保健機関)がすべての国で乳幼児の定期予防接種に導入するよう勧奨しており,現在,発展途上国を含め約40カ国で定期接種ワクチンとして使われている。わが国でも任意接種ワクチンとして接種されるようになったが,今後の課題は,定期接種化である。定期接種化に関する政策決定にあたっては,次の二点を念頭においてなされるべきである。第一は,ワクチンの価格が定期接種化により低下し,他のワクチンと同時接種することにより十分な費用対効果が見込めること,第二は,ワクチンが重症ロタウイルス胃腸炎による入院を予防するベネフィットは副反応としての腸重積症のリスクを大きく上回ることである。