特集 骨粗鬆症治療の新展開
8.分子標的治療薬デノスマブ
三木隆己
1
,
嶋田裕之
2
1大阪市立大学大学院医学研究科老年内科・神経内科教授
2大阪市立大学大学院医学研究科老年内科・神経内科准教授
pp.901-908
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201303901
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骨芽細胞により供給される破骨細胞分化因子(RANKL)に対する抗体治療薬であるデノスマブが,わが国でも使える日は近い。これは半年に一回の注射で,骨代謝をビスホスホネートよりも短期間で,より強力に抑制することから,骨代謝マーカーによる治療効果判定は容易であると考えられる。また橈骨骨折を含む,骨折防止効果も明らかにされている。さらにビスホスホネートのような蓄積効果はなく,腎機能障害に対する投与量変更の必要はない。ただ,高齢者などビタミンD不足の可能性があれば,低カルシウム血症防止のため,カルシウム,あるいはビタミンDの補充が推奨される。また,重複投与やビスホスホネート服用者には注意が必要で,薬剤管理が重要である。