特集 骨粗鬆症治療の新展開
7.テリパラチドの効果と役割
斎藤充
1
1東京慈恵会医科大学整形外科・准教授
pp.893-900
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201303893
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副甲状腺ホルモンの生理活性部位であるテリパラチド[PTH(1-34)]の間歇投与は骨形成を促進し,骨に新しい基質を添加していく。テリパラチドは,骨芽細胞機能を高めて,コラーゲンの産生量を増加させるのと同時に,コラーゲンの強度発現に重要な役割を演じる分子間架橋の形成を適正に制御する。すなわち,善玉架橋である酵素依存性架橋を増加させるのに対し,悪玉架橋である終末糖化産物(advanced glycation end products:AGEs,ペントシジン)の形成を軽減し,骨強度を高める。テリパラチドの連日投与法と週1回投与法は,ともに骨形成促進剤として,骨量・骨質を同時に改善する。骨粗鬆症は,骨密度と骨質の組み合わせで多様な患者集団になることから,骨密度と骨質の低下を併せ持つ症例に対しては,テリパラチドの使用を考慮すべきである。