特集 骨粗鬆症治療の新展開
9.期待される新規治療薬~カテプシンK阻害剤と抗スクレロスチン抗体~
岩本潤
1
1慶應義塾大学医学部スポーツ医学総合センター
pp.909-918
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201303909
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骨吸収抑制作用を有するカテプシンK阻害剤と,骨形成促進作用を有する抗スクレロスチン抗体は,骨粗鬆症治療薬として臨床開発中である。主なカテプシンK阻害剤としてONO-5334とMK-0822(オダナカティブ)が,主な抗スクレロスチン抗体としてAMG785とブロソズマブがあげられる。カテプシンK阻害剤と抗スクレロスチン抗体の作用機序は明確であり,オダナカティブの骨形成に及ぼす影響とAMG785の骨吸収およびcortical porosity(皮質骨多孔性)に及ぼす影響は,それぞれビスホスホネートとテリパラチドのそれとは異なる。
現在,オダナカティブとAMG785の第III相大規模臨床試験が進行中であるが,第II相臨床試験の結果から,両薬剤の優れた腰椎・大腿骨近位部(頸部)骨密度の増加効果と安全性が明らかにされ,新規骨粗鬆症治療薬として期待されている。