特集 骨粗鬆症治療の新展開
6.ビタミンDと活性型ビタミンD製剤の役割
岡崎亮
1
1帝京大学ちば総合医療センター第三内科・教授
pp.885-891
発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.20837/1201303885
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ビタミンDは,骨・ミネラル代謝維持のために必須のホルモンであり,その作用低下は骨折のリスクになる。ビタミンD作用低下の最も多い原因は,サプリメントを含む摂取不足と,紫外線曝露を要する皮膚での生合成低下によるビタミンD欠乏・不足である。ビタミンD欠乏・不足は,血中25(OH)D測定により容易に診断でき,天然型ビタミンDの補充により是正可能であるが,わが国では血中25(OH)D測定に保険適用がなく,医師が処方可能な天然型ビタミンDがないため,しばしば見過ごされている。わが国ではサプリメント扱いの天然型ビタミンD以外に,骨粗鬆症治療薬としてのビタミンDには,活性型ビタミンD3,エルデカルシトールがある。いずれも一定の骨折抑制効果が認められている。