今月の臨床 婦人科医のためのオステオポローシス
治療と予防
骨増加療法
22.活性型ビタミンD
木下 俊彦
1
,
加藤 順三
1
1山梨医科大学産婦人科
pp.1137-1138
発行日 1994年9月10日
Published Date 1994/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409901887
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ビタミンD
ヒトの皮膚で生理的につくられたビタミンDは肝臓で25位が水酸化されて25—OH-D3となり,ついで腎近位尿細管細胞で1α位の水酸化を受け,活性型である1,25(OH)2D3となる.この活性型ビタミンDは主として核に存在する受容体と結合してホルモン—受容体—複合体をつくり,クロマチンに結合してメッセンジャーRNA(mRNA)の合成を経て,カルシウム結合蛋白やその他の蛋白質を合成して作用を発揮する.
活性型ビタミンDは腸管におけるカルシウム吸収を促進するとともに,腎においてカルシウム再吸収を促し,カルシウムバランスを正にする.骨に対しては骨組織の石灰化作用,骨吸収作用および副甲状腺ホルモンの骨に対する感受性の増加作用などが知られている.多種の作用が認められるが,これらの作用の発現は用量によって異なり,臨床上用いられている用量では少なくとも骨吸収を刺激することはない.
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