特集 ホルモンと生理活性物質
各論
5.副甲状腺ホルモン・骨代謝ホルモン系
2)活性型ビタミンD
深瀬 正晃
1
Masaaki FUKASE
1
1神戸大学医学部第3内科
pp.110-111
発行日 1994年10月30日
Published Date 1994/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542902190
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生合成・分泌・機能
ビタミンDはステロイド様化合物で,食物中に含まれる植物由来(D2系)のエルゴステロール(ergoster-ol)と,動物(D3系)の皮膚の表皮および基底膜に主として存在する7-デヒドロコレステロール(7-dehydro-cholesterol;7-DHC)の2つのD前駆体に由来する.7-DHCは,皮膚では酵素に依存せず紫外線(270~320nm)によりプレビタミンD3へ変換され,さらに皮膚温度依存性にビタミンD3に変換される.以後,活性型ビタミンDは肝臓と腎臓で引き続き2段階の水酸化反応を受けて合成される.
体内のビタミンD(D2,D3とも)はビタミンD結合蛋白(DBP)により肝臓へ運ばれ,肝臓のミトコンドリアおよびミクロソームに主として存在する25位の水酸化酵素により25(OH)ビタミンD〔25(OH) D〕に変換される.しかし,これらの異なる小器官に存在する酵素の異同の詳細はまだ不明である.なお,肝臓の25―水酸化酵素は大山らにより精製され,そのcDNAからクローニングされている.
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