特集 筋肉・エクササイズとミネラル代謝
6.ビタミンD と筋肉
田中 清
1
,
青 未空
2
,
桒原 晶子
3
1神戸学院大学栄養学部
2京都女子大学大学院家政学研究科生活環境学専攻食物栄養学領域
3大阪府立大学地域保健学域総合リハビリテーション学類栄養療法学専攻
キーワード:
ビタミンD 不足
,
転倒
,
筋力
,
非椎体骨折
Keyword:
ビタミンD 不足
,
転倒
,
筋力
,
非椎体骨折
pp.209-216
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000217
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重症のビタミン欠乏症は脚気やくる病などを起こすが,より軽度の不足であっても,種々の疾患リスクとなることが最近注目されている.近年ビタミンD はカルシウム代謝・骨作用以外に,筋肉を含む全身への作用が報告されており,わが国での報告を含むコホート研究において,ビタミンD 不足は筋力低下・転倒のリスクであることが示されている.介入試験はわが国では報告がないが,海外では多くの論文があり,メタアナリシスも多数発表されており,とくにビタミンD 不足者においてより効果が大きいことが指摘されている.骨粗鬆症性骨折のうち,非椎体骨折のほとんどは転倒によって起こり,ビタミンD の筋作用の意義は大きい.
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