特集 筋肉・エクササイズとミネラル代謝
5.リンと筋肉
森 克仁
1
,
稲葉 雅章
1,2
1大阪市立大学大学院医学研究科・腎臓病態内科学
2大阪市立大学大学院医学研究科・代謝内分泌病態内科学
キーワード:
リン
,
骨格筋
,
クロスブリッジ
,
筋疲労
,
除膜筋線維
Keyword:
リン
,
骨格筋
,
クロスブリッジ
,
筋疲労
,
除膜筋線維
pp.203-208
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000216
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骨格筋の最大の特徴は‘収縮’ である.筋原線維はおもにミオシンとアクチンのフィラメントからなる.ミオシンはアクチンとクロスブリッジを形成し,化学エネルギーを力学エネルギーに変換することで張力を発生する.これには筋小胞体からのカルシウム放出が必須である.リンはカルシウム放出,あるいは筋原線維のカルシウム感受性を低下させることで,筋疲労・筋の収縮力低下を誘導する.ビタミンD やカルシウムに比較すると,リンと骨格筋の臨床的な関与を示唆するデータは限られているが,廃用による骨格筋の筋力低下には,リン濃度が深く関与していることが示されている.今後,リンと骨格筋,とくに筋力との関連を明らかにすることは超高齢化社会を迎え,重要な課題となっている.
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