巻頭言
骨粗鬆症治療の進歩
松本 俊夫
1
1徳島大学藤井節郎記念医科学センター
pp.81-82
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000191
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今世紀に入ってからの骨粗鬆症治療薬の進歩には目覚ましいものがある.2001 年に強力なビスホスホネートであるアレンドロネートの連日製剤が認可され,翌年にはリセドロネートの連日製剤,2004 年には初めてのSERM(選択的エストロゲン受容体モジュレータ)製剤ラロキシフェンが認可された.そして2006 年と翌年にアレンドロネートとリセドロネートの週1 回製剤が相次いで認可され,骨折防止効果の明確なエビデンスを備えた骨粗鬆症治療薬が広く使用されることとなった.さらに2009 年には国内の臨床試験で初めて骨折防止効果を示した強力な国産ビスホスホネート製剤ミノドロン酸の連日製剤,2010 年新規SERM 製剤バゼドキシフェン,そして2011 年にはミノドロン酸の月1 回製剤と,骨折防止効果を証明した初めての活性型ビタミンD3 製剤エルデカルシトールが承認された.2010 年には骨形成促進効果を示す初めての薬剤としてテリパラチド連日皮下注製剤,2011 年には週1回皮下注製剤が承認され,骨粗鬆症治療薬の選択肢が一挙に拡大した.2013 年には骨粗鬆症治療薬として初めての生物製剤で強力な骨吸収抑制効果を示す抗RANKL 抗体デノスマブが登場し,ビスホスホネート製剤もイバンドロネートの月1 回静注製剤,2016 年には年1 回の静注で強力な骨吸収抑制効果を示すゾレドロン酸が承認されることとなった.
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