第46回 日本リハビリテーション医学会 学術集会/静岡 《先端シンポジウム》宇宙からみたリハビリテーション医学―座長/里宇 明元・大島 博
微小重力や長期臥床による骨粗鬆症への挑戦
松本 俊夫
1
,
木戸 里佳
1
1徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部生体情報内科学
pp.764-767
発行日 2009年12月18日
Published Date 2009/12/18
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はじめに
宇宙飛行による微小重力環境下では,地上において力学的負荷が大きい骨の減少がとりわけ著しく,6カ月間の宇宙飛行中に運動負荷を行っていても大腿骨で平均9%(毎月1.5%)もの骨密度低下が認められている(図1)1).3カ月間に及ぶ長期臥床実験でもとりわけ大腿骨近位部の骨密度は6%余り減少し,ベッド上での運動負荷群でも4%以上と,宇宙飛行中に運動負荷を実施した場合の変化とほぼ同程度の骨密度減少が認められている(図2)2).これらの変化はいずれも,骨への力学的負荷の低下に起因する骨吸収の亢進と共に骨形成の持続的な抑制によりもたらされる.
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