特集 Calcimimetics の新しい展開
8.保存期・腎移植後におけるcalcimimetics の役割
藤井 直彦
1
1兵庫県立西宮病院腎疾患総合医療センター・腎臓内科
キーワード:
カルシミメティクス
,
シナカルセト
,
保存期
,
腎移植
Keyword:
カルシミメティクス
,
シナカルセト
,
保存期
,
腎移植
pp.307-314
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000159
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calcimimetics は,カルシウム(Ca)感知受容体に直接作用し生体内のCa 代謝のセットポイントを下げる薬剤であり,これにより透析患者において副甲状腺ホルモン(PTH)と同時に血清のCa やリン(P)を低下させることが可能となった.この薬剤の登場は透析患者に対して多くの恩恵をもたらしたが,腎機能が保持されている保存期CKD 患者や移植患者においても同様の恩恵をもたらすかについてはまだ十分わかっていない. とくに保存期CKD においては,PTH がもつP 利尿作用がcalcimimetics によって遮断され,結果的に血清P が上昇してしまう点には注意が必要である.一方,移植患者においては遷延性副甲状腺機能亢進症の治療薬として期待されているが,長期的な評価はまだ十分なされていない.
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