TOPICS
腎移植周術期から,移植後維持期のリハビリテーション
西村 彰紀
1
,
日髙 寿美
2
,
小林 修三
2
1湘南鎌倉総合病院 リハビリテーション部
2湘南鎌倉総合病院 腎臓病総合医療センター
キーワード:
腎移植
,
早期離床
,
リハビリテーション
,
QOL
Keyword:
腎移植
,
早期離床
,
リハビリテーション
,
QOL
pp.1262-1265
発行日 2025年11月15日
Published Date 2025/11/15
DOI https://doi.org/10.32118/cr034121262
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はじめに
2023年の血液透析導入患者数は36,115人で,平均年齢は71.59歳と報告されている.直近の統計では,高齢者の透析導入は増加傾向にある一方で,糖尿病性腎症の予防やCKD(chronic kidney disease,慢性腎臓病)管理の進展により,若年層の透析導入は減少しつつあり,全体の導入患者数は減少傾向にある 1).
一方で,腎移植レシピエントは近年増加傾向にあり,日本臨床腎移植学会および日本移植学会の腎移植臨床登録集計によると,2023年の腎移植症例数は2,001例であり,その内訳は生体腎移植が1,753例,献腎移植が248例であった.生体腎移植レシピエントの平均年齢は49.3±14.7歳であり,血液透析導入患者と比べて若年であることがわかる 2).
ただし,腎移植レシピエントの移植時平均年齢は1990年の32.2歳から2023年には49.3歳へと上昇し,60歳以上の割合も1.1%から28.7%へ増加しており,腎移植レシピエントの高齢化が進んでいる 2).さらに, 移植時におけるフレイル状態は術後の予後に大きく影響し,ノンフレイル群の5年生存率が91.5%であるのに対し,フレイルを有する群では77.5%に低下すると報告されている 3).
このような背景から,腎移植レシピエントに対しては,高い活動量と身体機能の獲得を目指した術後および術前のリハビリテーションの重要性がますます高まっている.

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