特集 CKD-MBDガイドラインを再考する─KDIGOガイドライン改訂を受けて
7.JSDTガイドラインとKDIGOガイドライン
濱野 高行
1
1大阪大学大学院医学系研究科腎疾患臓器連関制御学
キーワード:
線維芽細胞増殖因子23
,
25 位水酸化ビタミンD
,
鉄
,
ビタミンD 強化食
,
PTH 抵抗性
Keyword:
線維芽細胞増殖因子23
,
25 位水酸化ビタミンD
,
鉄
,
ビタミンD 強化食
,
PTH 抵抗性
pp.223-232
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000138
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CKD-MBD の検査値異常は感染症や腎予後アウトカムと関連する.最近,鉄やEPO 投与とFGF23 との関連や,鉄の血管石灰化抑制作用も明らかになり,MBDは腎性貧血とも密接な関わり合いがあり,MBD 概念が拡充しつつある.FGF23 と心不全の関連やcinacalcet による心不全抑制を考えると,MBD 関連臓器のなかに,血管に加え心臓を入れるのは自然である.ただ,心肥大といった器質的なものではなく,機能的なものを概念に取り入れたほうが賢明だろう.
日本と欧米の食事の違いは,保存期における高リン血症の頻度の違いを説明する.25 位水酸化ビタミンD の測定が保険償還されるか,ビタミンD 強化食の有無,天然型ビタミンD を処方できるかなどの文化的違いを,二つのガイドラインの違いを理解する際に忘れてはならない.日本人のPTH 抵抗性は欧米人のそれより低いことが予想され,両ガイドラインのPTH 目標管理域の違いに繫がっているのだろう.日本では長期透析例が多いことからアミロイドーシスがJSDT ガイドラインで取り上げられている.
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