特集 ホルモンによる骨代謝の制御
3.カルシウム・リン代謝から見た骨代謝調節(2)ビタミンD
大薗 恵一
1
,
窪田 拓生
1
1大阪大学大学院医学系研究科小児科学
キーワード:
くる病
,
骨軟化症
,
低カルシウム血症
,
副甲状腺ホルモン
,
線維芽細胞増殖因子23
Keyword:
くる病
,
骨軟化症
,
低カルシウム血症
,
副甲状腺ホルモン
,
線維芽細胞増殖因子23
pp.127-135
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000199
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ビタミンD は,骨の健康のために必須の栄養素で,その作用が不足すると,骨の石灰化不良を特徴とするくる病・骨軟化症が発症する.また,ビタミンD は血清カルシウムを維持するためにも必要で,その作用が不足すると,低カルシウム血症をきたす.ビタミンD は副甲状腺ホルモン(PTH)と協調的に作用する.ビタミンD は,リンを上昇させる作用も有するが,この作用は,PTH,線維芽細胞増殖因子23(FGF23)と拮抗する.食物として摂取されたビタミンD および皮膚で生合成されたビタミンDは,まず肝臓において25 位が水酸化されて25(OH)D となり,さらに,腎臓において1α 位が水酸化されて,活性型ビタミンD である1α,25(OH)2D となる.ほとんどのビタミンD の作用は,核内受容体ファミリーに属するビタミンD 受容体を介して発揮される.世界的にビタミンD 欠乏症および不足症の増加が認められ,その対策の必要性が提唱されている.
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