特集 腎疾患領域のゲノム医療と新規治療ターゲット
1.ゲノムバンクの役割と今後の方向
相馬 友和
1
,
清元 秀泰
2
1ノースウエスタン大学腎臓内科,東北大学医学系研究科腎高血圧内分泌科
2東北大学医学系研究科腎高血圧内分泌科,日本医療研究開発機構(AMED)基盤研究事業部バイオバンク課
キーワード:
ゲノム
,
一塩基多型
,
個別化医療
,
失われた遺伝率
,
バイオバンク
Keyword:
ゲノム
,
一塩基多型
,
個別化医療
,
失われた遺伝率
,
バイオバンク
pp.9-17
発行日 2018年1月1日
Published Date 2018/1/1
DOI https://doi.org/10.19020/KB.0000000093
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現在,本邦を含めた世界中で,ゲノム情報に基づいた医療の実現を目指した国家的な大型プロジェクトが遂行されている.米国では,前米国大統領バラク・オバマよりプレシジョンメディスン・イニシアチブが宣言され,All of us 研究が始まっている.これは100 万人以上のコホートを立ち上げ,ゲノム配列,環境,ライフスタイルの関係と疾患の関連性を明らかにすることで,疾患の治療や予防につなげるというものである.本邦においても,日本人,アジア人のゲノムと環境要因と疾患との関連性を明らかにするさまざまな大型研究が行われている.個別化予防や個別化医療の実現のためには,健常者および疾患発症者のゲノム情報,環境曝露を含めた詳細な表現型解析が必須であり,ゲノムバンクはそれらの研究の中核である.本総説では,筆者らがおもに関与してきた東北メディカル・メガバンク計画を軸に,ゲノムバンクが担う未来の医療への役割について概説する.
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